“地域の窓口、自治会長さん”

数百年を経た4本の大イチョウ、その黄金色が柔らかに、朱色の鳥居をつつみ込む。
幻想的な景色を残すこの岩戸落葉神社でイチョウの黄葉ライトアップを行うようになってから、ちょうど10周年となる2013年、秋。

記念すべきその日に向けて、着々と準備を進める小野郷人がここにもいた。

この日は夕方から、地域の外からライトアップ見学に訪れた人たちに
小野郷のまちを案内していた、

自治会長の片山輝男さん。
元・小野郷郵便局の局長さんだ。

イベント名は〝岩戸落葉神社ライトアップ2013~10年目の光、輝き続ける小野郷~″。

「せっかくだからOH!NO!GO!って書いても良いなぁ」と笑顔で話す。
今年みんなでつくった小野郷のスローガンを、さっそく使おうと意気込んでいる。

小野郷で生まれ育った、生粋の小野郷人。
でも、ヨソモノの意見も良いと思ったら受け入れる。

小野郷は京都の学生との交流がもう長く続いている。
佛教大学の学生たちが、地域の福祉活動を手伝ったり、畑仕事を体験している。
小野郷を第二のふるさと、キャンパスのように思う学生も多い。
このライトアップイベントも、春頃から学生たちが企画して、地域の人と一緒に準備を進めてきたのだ。
休校中の小野郷小中学校のステージでは、学生時代に小野郷を訪れた卒業生が、音楽ユニットとして「小野郷の唄」を披露した。

岩戸落葉神社ライトアップ

片山さんが奉納するのは・・・

夜、美しく照らし出された神社。
ライトアップイベントでは、奉納演芸として、大学生による、よさこい演舞や音楽の演奏、盛りだくさんなメニューが揃った。

岩戸落葉神社

その大盛況のなかで飛び交う、「てるおちゃーん!」の黄色い声援。
クライマックス、片山会長の自慢ののどが披露された。
片山さんは、地域のカラオケ同好会のリーダーでもあるのだ。


この日は結局、アンコールに応えて2回も歌を披露することになった。
プロ顔負けの人気ぶりである。

老若男女が集った楽しい宴の夜は、にぎやかに更けて行った。

有言実行、安心して住めるまちにします。

片山さんの地域に対する想い、それは、「高齢者が安心して住める小野郷にします」。

小野郷では、高齢者福祉施設建設の話が進んでいる。
将来を考え、動き続けてきた会長は、有言実行の人だ。

彼が描く福祉施設の存在意義は、お年寄りのためだけにとどまらない。
福祉施設があれば若者だって、将来に渡り安心して暮らせるだろうと、そう語る。
そこへ住んで生活するならば、将来も安心して住めそうなまちが良い。
空き家を活用し、若者も住めるようなまちを目指している。

「青い目の人だってウェルカムだね!」
そう話す片山さんは、大学生をはじめ、確実に交流をつづけて、地域の中と外とを繋いでいる。

地元住民の安心と、交流で地域の活性化。
内の人もヨソモノも、両方の笑顔を目指す片山会長なのでしょう。