娘のひと声をきっかけに

この北山三村ホームページがお披露目された、2014年新春。
北山三村ブログを更新するレポーター達が集まって、講習会をした。
元々、個人でもブログを書いていた田尻さんには、こちらの取扱いもお手の物。
以後、イベントがあった折には、足を運び写真を撮っては、
小野郷・大森の様子を伝えて下さっている。
「お母さん、じぃっとしてたらボケるから、ブログでも書きなはれ~(笑)」
パソコンを使ってブログを始めたきっかけは、約7年前、娘さんからのひと声だった。
そして、ブログの書き方を手取り足取り教えてくれたとのこと。
今ではスマホで撮った写真をパソコンに送り、
旅行に行った思い出も、お散歩で見つけたお花も、マメにブログへと残している。

田尻さんの人柄が出た明るいブログには、ファンも多い。
コメントを読むのも田尻さんの楽しみの一つだ。

地域内外問わず、人との交流を続ける田尻さんだから、
笑顔が明るいのだろう。

★田尻さんが更新中★
ぷりママのブログ↓
http://yuu-urimama.cocolog-nifty.com/

 

 

新しいチャレンジを厭わないのは、過去の経験もあるからか。

北山丸太製品を販売する「株式会社 山商」。
北山丸太製造・販売会社であり、田尻さんが長年勤めた場所だ。

 

かつては高級建築材として世間に名を轟かせた北山杉だが、
床の間文化の減少に伴って、ピーク時に比べると売れゆきが傾きはじめた。
そこで今から約10年前、北山丸太の新しい需要を開拓していかなくてはと始まったのが
山商と京都工芸繊維大学との地域資源共同開発だった。
共に、北山丸太の艶やかな木肌へと馴染む染料の開発が行われた。

 

そして出来上がった特殊な染料を使い、京友禅の職人が絵付けして、
試行錯誤をしながら北山丸太の美術工芸品が出来上がった。
高級建築用材としての利用が主流な北山丸太業界では、異色な製品だ。

 

現在田尻さんは、山商の会社スタッフの職を引退している。
しかし、会社は家の真向いにある。
長らく携わった一員として、今でも気にかけてサポートを続けている。

 

会社も、ご近所付き合いも、遊びの時間も、きっぱりとした境目はないのかもしれない。
北山には、そんな昔ながらの暮らしが紡がれている。

 

山商の製品を紹介するのも、会社のためだけでない。
旅先でも、北山丸太の使われた建造物を見つけると、写真に撮って残している。
北山丸太の魅力を伝えること。
その思いは、現役での職を退いた今なお、変わっていないことが伝わる。

 

 

 

 

 

■アイデアは、即実行!

気持ち良いくらいに真ん丸な断面。
そこには、きめ細やかに、年輪が刻まれている。

北山杉の垂木をスライスし、円板にして、一枚ずつ磨いて面取りをする。
これに、絵付師職人が、手描きで模様を付ける。

椿、紫陽花、梅、季節の草花・・・。
北山杉の年輪映るパレットに、ぱあっと色がつく。

最後にピンを付けて、ブローチの完成だ。
他にも、小さなパーツを買ってきて、携帯ストラップに加工した商品もある。
パッケージは娘さんが作ってくれたそうだ。

「こんな小物があったらええかな?」とアイデアが生まれたのが、昨年冬。
それから製品化して、早春にさっそく小規模での販売を始めた。思い立ったら即行動だ。
何より、北山丸太販売に長らく携わり培ってきたご縁が、製品化を実現させた。
百貨店での展示販売では、用意していた数がさっそく半分に減った。

次は、サイズを変えてみる?模様はどうだろう?販売価格は・・・
どうやらまだまだ、試行錯誤が続きそうだ。

パソコンもスマホも小物販売も、とりあえず挑戦、即実現。
つべこべ言わず、まずやってみようかな♪ の姿勢が、
若々しく健康な心を育てるのだと、田尻さんの笑顔が教えてくれた。