北山林業体験ツアーを開催しました(5月17日)
北山杉のふるさと中川にて、初めての林業体験ツアーを開催しました。
小中学生のお子さんから大人まで11名のみなさんに、北山杉の生産工程を地元中川で長年林業に携わっている地元民といっしょに体験してもらいました。
集合場所の自治会館から近くの山林へ移動し、木から木へと渡りながらの枝打ちを見学してもらった後、最初の体験の伐採をしてもらいました。
小学生のお子さんがのこぎりで見事に木を倒しました。
次は皮むき体験です。伐採した後の木をへらでむきます。つるーと樹皮がむけ、光沢のある北山杉の木肌が現われてきます。みなさん夢中で作業をされてました。時間があればもっとやりたいという声もあり、大好評の体験でした。
清々しい北山杉の山林の新緑と清流の流れる中川集落を歩き、倉庫群へと向かっていきます。参加者のみなさんからは、「ほんとうにきれいなところですね」「京都の近くにこんないいところがあったなんて」という声があがっていました。
次の体験は、倉庫群での丸太磨き体験です。倉庫群は昭和初期に建設された北山丸太の製造作業や保管を行う独特の建築様式の産業遺産です。「まるで宮崎駿さんの世界のようです」とある方はおっしゃっていました。ジブリ映画のモデルになればうれしいですね。
集落から少し離れた菩提の滝からとった砂で磨くとツルツル、ピカピカの木肌になります。旅の途中中川で生き倒れになったお坊さんが、集落の人々に助けられたお礼に、「菩提の滝の砂を使って丸太を磨いてごらんなさい。そうすればこの村は栄えますよ。」と言い残したのが砂での丸太磨きの始まりと言われています。
次に人工絞丸太の生産工程の「シボ巻き」体験です。人工的に凹凸のある美しい模様のある丸太を作り出すために、大正時代に中川の新谷氏により考案されました。
「ハシ」とよばれる巻きつけの材料を機械で巻き付けます。ハシはかつては山にあるつつじを削ったものでしたが、現在はプラスチック製が使用されています。今回は倉庫の中で体験してもらいました。
北山丸太は、「干(ひ)割れ」といわれるひび割れを防止するため、「背割り」と呼ばれる割れ目を入れます。この背割りをより完全にするため割れ目にくさびを打つ「矢入れ」をします。
以上で体験は終了です。自治会館に戻り、山仕事の昼食で食べられた直火焼きの鯖とおにぎりの昼食を用意しました。シンプルなメニューですが体を動かしたあとの食事は格別のおいしさです。
始めての体験型のイベント、大人の方のみならず、子ども達にも大満足でした。自分で皮をむき、磨いた丸太を大事に持って帰ってくれました。この体験が一生の思い出になってくれたらうれしいです。
職業体験のできるテーマパークも人気でいいですが、自然いっぱいの山村で、世界一手間ひまかけた林業の体験ができるこのツアー、お子さんのいるファミリーにもぴったりだと確信しました。
5月24日も開催します。定員まであとわずかです。ご参加希望の方、お申込みは早めにどうぞ。
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