かがやき隊員の奥田です!前回の投稿(こちら)の続編になります。

ドイツ公共放送連盟(ARD)による午前中の撮影が無事に終了し、午後からは中川地区にて

大台杉と垂木(タルキ)の砂磨きを撮影されるとのことです(*^-^*)

中川で最古かつ最大の台杉に、ドイツの撮影チームも驚嘆の声が。

駒札には樹齢400年と推定されるとあることから、少なくとも江戸時代には

こうした台杉による育林方法があり、今なお生き続けているとなれば驚くしかないでしょう( ̄ー ̄)

ドイツの撮影チームからある質問が投げかけられます。「台杉の育林方法のメリットは?」

台杉は大きくなった木から順に切るため、植林の回数が少なく、手入れに力を入れることで

緻密な木材が作られる。北山という急斜面が多い地域でも行える林業の一つの形として、

自然の方式に一番近い形として編み出された方法であるとの回答。

「では、台杉の育林方法によって環境問題にどのような影響を与えるか」という別観点の質問が!

環境問題に対して先進的な取り組みを行っているドイツならではの質問に地域の方も困惑されていましたが、

急斜面の山は雨が降ると土壌が流れやすく、次の木が育ちにくくなってしまうことや、

土壌が安定していないと山近くや下流域に被害をもたらしてしまうこともあるが、

この台杉は木まるごとを伐採するものではないため、植生が変化せず山が荒廃しにくいこと、

手入れをし続けることで健全な山の状態を維持できることとの回答。

なるほど・・・そういった観点で見ると林業という職業の大切さが分かりますね(>_<)

大台杉の撮影後は、中川地域の方による砂磨きの実演が撮影されることになりました。

何年ぶりやろか~緊張するわ~、と苦笑されながらも活気溢れる地域の方々。

菩提の滝での砂を握る手にも力が入ります(o^^o)

小刻みに砂磨きの心地よい音が聞こえます。手のひらに砂を乗せて、垂木の上にいくつか置き、

それを目掛けて4、5回程往復していくんだそうです。年配の方や先輩に教えてもらいながらも、

一日に何十本も磨き続けることでコツを習得していったんだとか(*^-^)

熟練の業の撮影も終わり、二日間にわたる収録が無事に終了しました。

林業を含め、自然・環境問題に力を入れているドイツでは、『台杉』の特異性と環境面が注目され、

今回の収録を通して国内外に発信していきたいとのことでした。

もちろん国それぞれの地理的条件や自然条件に合ったものが息づいていくものだと思いますが、

世界に北山林業の知恵と技術が広がっていくこともあるのかもしれません。

ドイツ公共放送連盟(ARD)の撮影チームの皆さん、通訳の方、収録に協力された地域の皆さん、お疲れ様でした!