平成28年3月16日(水)に火の神様にお祈りをして、炭の材となる木をぎっしりと並べて着火した炭焼き窯です。

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通常3日3晩寝ずの当番で充分に釜の中に熱が回るはずですが、思う様に温度が上がらず3月22日の未明まで約6日間という異例の長期にわたる炭焼きとなりました。

その後24日間かけて完全に温度が下がるまで待ちました。想定外の展開に中の炭はどうなっているのか?期待と不安の4月16日、いよいよ炭とのご対面です。

釜の炊き口を完全に塞ぐためのベニア板を取り外し、ベニア板で押さえていた土を崩し、釜の焚き口を完全に封鎖した粘土を削り取ると、釜の蓋とレンガ積みが見えてきました。

<ベニア板を外して>                      <土が見えてきました>

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<土を崩して>                          <粘土が姿を現して>

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<粘土をそぎ落として>                    <釜の焚き口が見えました>

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レンガ積みの中央にある出っ張りのレンガを抜くと、内部の様子をのぞき見る“のぞき穴”です。その上の鉄製の扉を期待を込めて開くと中の様子が見えてきます。

<そーと覗いて見てご覧>                 <不安と期待が交錯します>

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炭の材に炎が回るのを防ぐコンクリートブロックを取り除くと、灰をかぶった材が姿を現しました。ここで、釜主で炭焼きの指導をされている塚本穰二さんのご登場です。

<この奥に炭が>                        <釜焚き様の薪の燃えかす「灰」>

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<灰をかぶった炭が見えます>                <塚本譲治さんご登場>

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一人が釜の中に入って、炭を釜の外へ送ります。子供用のソリに積み込まれ釜小屋外に広げたシートに運びます。

<ライトで照らしながら>                    <小さな女の子もお手伝い>

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焼き具合や炭の善し悪しを見極めながら、選別して並べていきます。特に注意が必要で、“かしら”と呼ばれる不完全な炭の見極めです。この“かしら”は釜の中の地面に接地している部分の事で、完全に熱が回らず不完全な部分で、燃やすと煙が出るので他のものと区別します。

部分的には“おしり”の部分かなとも思いますが“かしら”です。塚本穰二さんの判定を受けながら選別していきます。

<“かしら”が並びます>                    <これは“かしら”ですな>

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炭の窯出しは、ここからが大変でした。炭がコンロに収まるように長さをそろえてカットしていきます。5cm~7cm位にそろえていきます。先ほどの“かしら”の部分は非常に堅く“のこぎり”の歯が立たないのですぐに選別出来ます。切りやすい部分に見当をつけてカットします。

<“もくもく”と作業が続きます>               <体中真っ黒け>

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休憩をはさんで、一心に選別作業を続けると、多くの炭の選別が終了しました。この量が一日の作業で終えられるのかと思いましたが、無事終了です。あとの半分は釜の中で保存されています。

<私もすこし休憩>                       <ヤマザクラ 街中とは一足遅い満開>

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心配された炭の質も若干焼きすぎの部分があるものの、おおむね良い炭が焼けたようです。

<炭の善し悪しをより分けて>                <綺麗な炭が焼けました>

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軍手をはめて作業をしましたが、外してみると手は炭の粉で真っ黒です。前屈みで作業を続けましたので、体の節々が悲鳴を上げていました。

<こんな形の木も炭に>

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作業を終えて一息つくと帰りの時間となり、雲ヶ畑を後にしました。今回は初めての炭焼き釜の澄だし炭出しという貴重な体験を有り難うございました。

(さとし)

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